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暗いところで待ち合わせ

暗いところで待ち合わせ -Waiting in the Dark- 映画オフィシャルサイト

どーしても観たくなって、まだやってるかなーって調べたら
かろうじて昨日までやってたので観に行きました。

観た人の感想を読むと
原作ファンの人の「設定が違うのになじめない」って意見が多くて
ちょっと不安もあったんですが、
原作読んでないワタシの感想は、観てよかった。です。





唯一の家族であった父親を失って、一人で暮らす目の見えない女の子(ミチル)と
彼女の家にこっそり逃げ込む殺人の容疑者(アキヒロ)の
お話ですから、とにかく静かなんです。
セリフがすくないのでミチル=田中麗奈とアキヒロ=ボーリンは
言葉ではなく身体で演技してるのです。
若い二人ですがうまかったです。

田中麗奈はとてもいい役者さんですね。
雰囲気を作るのがうまいというんですか。
ミチルの持つ空気をちゃんとまとっていて、しっくりきてました。

そしてボーリン。
なんでこれを観に行ったかといえばボーリンを観に行ったんですが、
ひいき目抜きにして、よかったと思います。
いいなと思ったのは殺気。
まさかほんとに殺してるのか?と思わせるあの殺気と目。
ボーリン、目が怖ええ。と何度おもったことか。

でも殺される松永は気づかないんだよね。
すぐ後ろにそんな殺気をみなぎらせた人間が立ってるのにさ。
ま、それほど鈍感だったから平気で人を差別して傷つけるようなこと
するんだろうけど。

アキヒロは日中ハーフなんだけど日本になじめてない。
自分の殻に閉じこもってて、だからますます周りとうまくいかないという
悪循環の中にいるわけ。
松永はくすぶってる自分にイライラしてて、
それをアキヒロにぶつけて自分のプライドを保ってる。

原作ではアキヒロは日本人で
原作ファンの人はどうして日中ハーフにしたのか納得いかん!って感じなんだけど
ワタシはいいと思うよ。
アキヒロの孤独をわかりやすく表現できると思うし。
なにより日中ハーフにしてボーリンを起用したことは当たりだと思う。
殺意をあんなふうに体からにじませることができる日本の役者って
いるかなー?あんな怖い目できる人って。

でもアキヒロはほんとは繊細で傷つきやすい男の子で
ミチルを見つめる目はやさしい。
控えめにミチルを想う気持ちっていうのもちゃんとボーリンはできてました。
電車のホームからミチルの姿を見つめて
そっと微笑むとこなんかステキだったな。

サスペンスものでもあるので緊張感漂ってますが
ひっそりと切ないラブストーリーで
あ、なんかいいもの観たって感じのする佳作だと思います。
by komilikeyou | 2007-01-14 00:45 | 映画